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電装班進捗報告②その二
この技術の蓄積は1年やそこらでどうにかなるものでは無く、上の代から下の代へと継承されることでようやく成り立ちます。技術を渡す側は、継承された技術をさらに次へとつなぐために、また自分が得たものを発展させるために、いかに多く確実に伝えるかを考えなければなりません。技術を受ける側は、以前のものと同じものだけを作っていてはただの劣化コピーにしかならない上に、そこまで継承がピタリと止まってしまい、さらには最新技術の恩恵を受けて新しいものを作ることもできなくなってしまいます。

ここまでの全てをクリアできて初めて「動く」ものを作ることができます。20代の2人が作りたいものを作ることができるように、引退までの残り僅かな期間の中で最大限のものを遺すのが私の最後の仕事です。

もともと飛行機に関して全くの無知だった私が「何だか面白そうかもしれない」という軽い気持ちで入部してから2年と数ヶ月、ここでは到底書ききれないほど多くのことを経験しました。昨年の鳥人間コンテスト終了から1年間は、19代ただひとりの電装班故に、電装班長兼電装設計としてやってきました。当然辛かったことは沢山ありました。代替わり直後は文字通り手探りの状態が続き、自分のことでいっぱいで20代2人のことを十分気にかけることができませんでした。方向性が見えたと思ったら行き詰まり、結局やり直し、の繰り返しでした。やっと完成したという喜びも束の間、TFで計器類が思うように動かず迷惑をかけ、時には嘲謔されてしまうこともありました。

それでも私がなんとかここまで続けられたのは、先輩、同期、後輩に恵まれ、特に20代の2人に事あるごとに助けられたからです。他チームの方々に助言をいただいたりもしました。また、電装班の作業が自分の意向を強く反映できる自由度の高いものであり、設計や製作の過程であれこれ考えることが本当に楽しかったことも、続けられた要因の一つです。夢の中でも作業をしていたほど生活の一部分であったWindnautsを去る日が近づいている今、この部活に入って良かったと心の底から思います。

ここまで読んでいただいた皆様、私の長くオチのない独り言に付き合ってくださりありがとうございました。今後のWindnauts電装班のさらなる発展を約束し、この文章の終わりとさせていただきます。

19代電装班長 庄子水渡
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